更新日:2015年03月23日
塩レモンのレシピに必ず欲しい「国産」の表記(3/3総まとめ)
今回検査した農薬3種類
今回の検証で分かった3つのこと
皮に残留するポストハーベスト農薬の濃度は栽培時散布農薬よりも4~20倍
今回、輸入レモンの皮には、検査した3種類の農薬の残留が認められました。
さらにポストハーベスト農薬に使用される2種類(イマザリル・TBZ)の残留濃度は栽培時に使用する農薬であるクロルピリホスの4.5~20倍近く、その残留濃度の高さが目立ちます。
特に、直接農薬と触れる表皮には、かなり高い濃度で残留しているという結果となりました。
輸入フルーツの多くは収穫後にポストハーベスト農薬を散布された後、梱包され出荷されます。
そのため、栽培時散布農薬と違って風雨による洗い流しもなく、光による分解がされにくい状況下のまま店頭に並ぶため、農薬の残留濃度が高いと言えます。
柑橘類のポストハーベスト農薬は水洗いでは、あまり洗い落とせない
ポストハーベスト農薬である2項目(イマザリル・TBZ)は減少率が低い結果となり、流水のみでは農薬を洗い落とす効果が薄いことが分かりました。ポストハーベスト農薬は水をはじくワックスと一緒に塗布されること、そして特にイマザリルは水に溶けにくい性質であるために、このような結果となったと考えられます。
水に溶けにくいなどの農薬それぞれの性質によって、減少率に差がでますが、ワックスが塗布されている農作物の場合は、特に洗い方に工夫が必要と思われます。
果汁にも浸透している可能性がある。
今回検査した輸入レモンでは、皮に比べて濃度が低いものの、ポストハーベスト農薬の2種類(イマザリル・TBZ)で、果実内への浸透が確認されました。
果汁にもポストハーベスト農薬が含まれている可能性があります。
果汁や、果皮にある油分に溶け込むかどうか、農薬それぞれの性質によって差はありますが、農薬の種類によっては「皮を食べなければ大丈夫」とは言い切ることは出来ません。
今回の検証では、
「皮での残留濃度が高く」
「水洗いではあまり落ちず」
「果汁まで浸透」
が確認された輸入レモンのポストハーベスト農薬。海外産作物はポストハーベスト農薬分ほど、国産に比べ「健康への不安」が増すと考えます。
今回はレモンが題材でしたが、チェリーやブルーベリーなど皮ごと食べる作物はなお心配です。そして果物だけでなく、小麦など毎日のように食べる主食となる農産物にも散布されています。
やはり農産物は国産・有機のものが安心して美味しく食べられますね。