食糧自給率の
向上の担い手に
日本の食糧自給率は37%(カロリーベース/2018年/出典: 農林水産省Webサイト)という低い数字で低迷しています。
欧米の先進国の自給率、フランスでは約127%、ドイツ95%、英国で63%(海外は2013年統計)という数字と比べると、いかに日本の自給率が低く残念な状況にあるかがお分かりいただけることでしょう。
その一方で、日本の主食用米の全国ベースでの需要量は毎年約8万トンずつの減少傾向にあり、米の余剰は減反政策のみでは解決できない形が長期に渡って続いている状況にあります。
このように米余りが進む中にも拘わらず、片方で飼料原料の輸入量は、とうもろこしを中心に、年間約1300万トン、日本の米の生産量の約1.5倍にも達するという、そのいびつな情況が続いているのです。
そこで、この輸入飼料原料を少しでも国産の飼料用米に置き換えて行く…ここに、飼料用米の大きな役割があるのです。
食べ物は、命、そして生活の基本となるものです。
その意味からも食糧自給率の向上は、決して日本だけの問題ではなく、世界的な課題でもあります。
私達にとって、命の根源である食べ物、その自給率の向上を図る、ここに私達、秋川牧園の飼料用米の取組への重要な原点があるのです。
※当HP内の食糧自給率とは、カロリーベース総合食料自給率(農水省指標)のことを表しています。
飼料用米の栽培は、
畜産と稲作との
地域循環へ拡がる
多収穫でも倒れない稲、全国から注目される飼料用米専用品種
今、全国で飼料用米の栽培が大きく拡がりつつあります。
秋川牧園では2009年から、飼料用米専用品種による「多収穫低コスト栽培への取組み」を始めました。
また、当社では、山口県の推進する飼料米推進協議会や国の”飼料用米多収日本一コンテスト”にも参加し、秋川牧園飼料米生産者と共に飼料米生産に取り組んでいます。
今日、私たちの耕畜連携の飼料用米プロジェクトは全国から注目を集めています!
1地域循環
安心安全な卵や鶏肉づくり
その堆肥が、水田に還元され そして、たんぼが豊かになる
日本のお米作りは、施肥が簡単で、しかも少量ですむ便利な化学肥料が普及し、重たくて手間がかかる堆肥は、敬遠されてきたという近代農業のいびつな姿が見られて来ました。
その結果、たんぼの地力が弱って病害虫が蔓延し、それが、また、農薬の大量散布につながるという、食の安心安全に逆行するという厳しい現実がありました。
秋川牧園では、すでに40年以上前から、抗生物質や抗菌剤を使用しない畜産を推進してきました(ワクチンは除きます)。
そして、生産の現場では、分別生産流通管理されたとうもろこしや大豆などを使用した飼料原料でオリジナル飼料をつくり、それらの残留農薬や放射線量を定期的にチェックすることによって生体濃縮・残留農薬の心配の少ない鶏や牛を育てています。これまでも、その畜糞を充分に発酵させた畜糞堆肥を秋川牧園の食べ物づくりに活用してきましたが、まだまだ、その堆肥には生産余力がありました。
この命のある秋川牧園の堆肥を地域の農地にしっかり還元し、その地力のある水田から秋川牧園の飼料用米ができる、そして、飼料用米が、秋川牧園の卵やお肉づくりに、また活用される、そのことが、また、日本の食糧自給率を向上につながるというその大きな願いから、飼料用米プロジェクトは始まったのです。
「飼料用米の栽培」それは、地域農業の、うれしい、活力ある「希望の星」になれるのです…
2多収穫でも、倒れない たくましい イネ!!
飼料用米専用品種が、活躍する… モミのまま鶏に、食べさせる
飼料用米の栽培にも、海外産とうもろこしとの厳しいコストの競争があり、これからも、低コストでの栽培の成功に向け、収穫量が多い、魅力ある栽培が求められます。
秋川牧園では、持ち前の技術開発力を生かし、多収穫の飼料用米栽培に向く品種や多収穫栽培の発掘にも力を入れてきました。
多収穫には、稲が出穂後に倒れないこと、つまり、茎が強いことが求められます。
私たちは、農研機構の先生方とも協力し、多収穫でも倒れない稲、「インディカ種」を交配させた飼料用米専用品種の開発的な導入に力を入れ、大きな成果をあげつつあります。
これらの飼料用米専用品種は、籾摺りをしないモミ米のままで鶏に与えることで、籾摺りの費用や、無駄な流通コストの削減に大きな役割を果たしています。
また、鶏の胃は強くてもみ米は良く消化され、また、お米は脂肪酸の組成が良いため、卵や鶏肉がとってもおいしいと大変好評です。
3飼料用米生産の取り組み
多収専用品種の選定と技術革新で多収日本一へ!
秋川牧園の飼料用米生産は、2009年に2か所の試験圃場から始まりました。その後、農業法人や個人の農家に参加を呼びかけ、今では23件の農家が独自ネットワークによる視察会や情報共有を通して、切磋琢磨しながら、当初から専用多収品種にこだわり飼料用米の生産をしています。その結果、平成28年から3年連続で飼料用米多収日本一コンテストに入賞を果たしました。
現在生産中の飼料用米専用品種は、「北陸193号」「みなちから」「夢あおば」「いわいだら」等の面々です。
当社飼料用米グループの種子の安定供給のために、種子の利用許諾も取得し、種子生産も行っています。また、最近では多収品種普及の為、飼料用米種子の外部販売にも力をいれています。
飼料用米用途限定種子の販売について
利用許諾取得一覧
※その他の利用許諾取得品種「いわいだわら」「くらのぬし」「モミロマン」「きたげんき」
※用途限定種子の為、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ)や食用(加工用米)には利用出来ません。
※現在の栽培品種については、お問い合わせください。
※上記の品種について"海外持出禁止(公示(農水省HP)参照)。"
お問い合わせ先:083-929-0384
4飼料用米の利用
飼料用米を作り、広めて、未来の田んぼを守る飼料用米を作り、生産の現場で活用し、循環型農業を推進する
現在、秋川牧園の生産物の鶏卵・鶏肉にはすべて、飼料用米が給与されています。
その内、山口県産の秋川牧園の飼料用米は、秋川牧園の代表製品である「たまご」や「若鶏」に利用され、また、国産肉用種「はりま」の生産にも活用されています。
秋川牧園飼料と抗菌剤・抗生物質不使用で飼育した若鶏の鶏糞堆肥、それをしっかり熟成させて、秋川牧園が提携する飼料用米用の水田にしっかり入れる…
そして、でき上がったもみ米を、また、秋川牧園の鶏に与えます。
これは、食の安心安全への永久の地域循環
そして、田んぼの地力を育てます!
そして、そこに、元気な生産者が育ちます!!
飼料用米は、日本の農地(水田)、日本の「原風景」を守る要です!
「飼料用米なくして、日本の水田農業はない!」という強い想いを胸に、これからも秋川牧園は飼料用米プロジェクトを推進していきます。
アメリカ等、海外から輸入されるとうもろこしや大豆は、約9割以上が遺伝子組み換え作物です。
お米は、そして飼料用米は、遺伝子組み換えをしないで日本で守って行きましょう。
そして、日本の地域の農家が元気であれば、健全で安心安全な食べ物づくりが元気に続いて行けるのです。
秋川牧園の最新情報については、FacebookやTwitterの公式アカウントでも発信しています。