更新日:2015年03月23日
塩レモンのレシピに必ず欲しい「国産」の表記(1/3)
その塩レモン、農薬も一緒に漬けていませんか?
あらゆるものが美味しくなる万能調味料として人気を博した「塩レモン」。
まろやかな酸味と塩気、旨みが混じりあい、サラダやパスタ、肉でも魚でも、幅広い料理に使える万能さから、ご家庭で作られる方も多いかと思います。
ところで、皆さんは塩レモンを作る時、レモンをこだわって選んでいますか?
筆者こと私が塩レモンを作ろうと国産のレモンを手にしたとき、ふと、ある日の雑談中の秋川牧園社員の一言を思い出しました。
「私は外出時にレモンティを出された時には、紅茶にレモンを浮かべずに、手で絞って果汁だけを入れています。きっと、皮の部分にはポストハーベスト農薬が多く残っているから。
でもそれが本当に正しいかどうか、分からないけどね。」
(レモンティにレモンを皮ごと入れない・・・。きっとあの人も塩レモンを作る時も、ポストハーベスト農薬の心配がない国産レモンを使うのだろうな。)
そう思いながらも、
「でも、それが本当に正しいのかどうか分からない」
ただ、この最後の一言が、どうしても私の心を捕らえて離しません。
自分も国産のレモンで塩レモンを作ろうと考えていましたが、それが正しいのか、漠然とした不安だけを根拠にするのではなく、その確固たる判断材料が欲しい。
そこで
本当に正しいかどうか実際に調べてみることにしました!!
確かに、ポストハーベスト農薬の実情を知れば怖くなるのは当然です。
特に輸入レモンには、ポストハーベスト農薬が必ずといっていいほど使われています。収穫後に果実の皮に直接ふりかけるポストハーベスト農薬ですから、皮の部分にはより高濃度で残留している可能性は、否定もできません。
こだわったことに意味はあったのか。それを検証するために、まずは輸入レモンの皮にどれほど農薬が残留しているのかを調べてみることにしました。
スーパーへ行き、輸入レモンを購入。
ポストハーベスト農薬は「食品添加物」に該当するので、売り場では使用されているポストハーベスト農薬の表示義務があります。5店舗回ってみましたが、使われている農薬に差はあるものの、この時に店頭に並んでいる輸入レモンはすべて南米産でした。
そして、どこの店舗もイマザリルとTBZは使用されていました。
ある1店舗でレモンを購入し、洗わずにそのまま表面の皮だけをピーラーで削り取り、これを残留農薬検査に提出しました。
たとえ、レモン1個当たりの濃度が低くても、皮だけで検査すれば、皮にどれだけ残留しているのか、わずかな濃度でも確認できるはずです。
検査する農薬は3種類。
柑橘類に使用される代表的なポストハーベスト農薬である「イマザリル」と「TBZ」。
そして、ポストハーベスト農薬ではありませんが、柑橘の栽培期間中に使用されることが多い「クロルピリホス」の計3種類としました。
はたして、輸入レモンの皮に農薬はどれほど残っているのでしょうか・・・!?
外部機関に残留農薬検査に提出して1週間。結果を見てみると・・・
輸入レモンの皮からイマザリルが9.5ppmも検出
なんと、イマザリルでは9.5ppmもの農薬が検出されました!
今回の検査では、あえてレモンの表皮を薄く削るという方法をとったこともあって、基準値の2倍近い値です。
その他にも、TBZ、クロルピリホスも残留していることが確認されました。
いずれも、レモン1個では国の基準値以下と思われますが、今回の結果からもポストハーベスト農薬は、やはり皮に特別に高い濃度で残留している、と考えられます。
今回の実験の結果から「塩レモンは国産レモンで作る」という自分の判断は的を得ていたようです。
やはり、塩レモンやその他の料理でも皮ごと使用する場合は
国産レモン さらに 無農薬 がおすすめです。
しかし、ここで1つの疑問が心の中に浮かんできました。
「では、洗うと農薬はどれくらい落ちるのだろうか?」
ワックスや農薬を意識して、食べる前にレモンを洗う方の方が多いかと思います。
洗って農薬が落ちるのであれば、まだ安心できます。
そこで、次回「水洗いで農薬は落ちるのか・・・!?」を検証したいと思います。
次のお話は2ページ目に。お楽しみに!
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