更新日:2020年03月23日

手間ひま惜しまず/菊川農場(山口県)


どうしたら健康に 鶏を育てられるのか。私たちは鶏と真正面 から向き合います。

生後から約60日、鶏たちに「心地いい」を。

健康なエサを食べ、自然の中でストレスなくのびのびと過ごしてもらう。私たちの仕事はそのお手伝いをすることです。

 

気の抜けない日々

ふ卵場からやってきた生後1日のヒヨコたち。まだ体温調節する力が弱いため、鶏舎内の温度管理が大切です。特に秋冬の寒い時期は暖をとろうとヒヨコ同士がピラミット状に重なり合い、圧死してしまうヒヨコも。

ブルーダー(暖房器具)を入れたり、しきりを立てて適切な羽数毎に集団を分け、ヒヨコが快適に過ごせる37℃以上、湿度70%に近い状態に保ちます。「開放鶏舎だから天気の影響は大きい。1時間毎の予報を必ず確認し、前もって対応する」と藤重農場長。天気予報から現地の気温を予測し、カーテンの開け具合、しきりを広げるタイミングなど、細かに調整していきます。さらに、鶏糞からアンモニアが発生するため、2〜3時間毎に窓を開け換気をして、ひよこの呼吸を妨げないように気を配ります。

合わせて水とエサがきちんと摂取できているかもチェック。これらは特別な仕事ではなく日々の仕事の1つ。効率ではなく、鶏がいかに快適に過ごせるかを一番に考えています。

 

防疫対策もしっかりと

毎年9月頃になると鶏インフルエンザ対策が始まります。主に、渡鳥の糞便を介して人やネズミなどが感染経路となるので、渡鳥が飛来する前からしっかり取り組みます。特にネズミは厄介で、鶏を出荷した後の空の鶏舎は暖かく、ネズミの格好の住処となるので、捕獲テープを仕掛けたり、鶏舎にある小さな隙間を塞いで対策します。

また長靴は鶏舎の中と外で履き分け、毎回踏み込み消毒を実施。電動ミスト機で全身消毒を行ってからの入場となります。

定期的に、家畜保健所による衛生の確認も。さらに原則1人1日1農場の入場に限定して、他農場から病原菌を持ち込む万一のリスクを回避します。藤重農場長は「業務上、どうしても農場をまわらなければいけない時もあるので、車には清潔な作業着を4〜5着常備。農場で着替えて洗濯し、シャワーを浴びて、私服で移動する。」と徹底しています。当たり前ですが、鶏たちの健康的で、心地よい生活を支えるのは、私たちの細やかな配慮。出荷まで大切に鶏を育てています。

 

自然豊かな場所

山口県下に4つの農場をもつ 秋川牧園直営の有限会社 菊川農場。鶏舎を分散することも感染リスク回避の一つです。どこも空気がおいしい、自然豊かな 山あいにあります。

 

農場スタッフ 30代の若手 三浦さん

菊川農場 三浦(左) 藤重農場長(右)

サファリパークの飼育員やトリマーなどの経歴をもつ三浦。いままでは愛玩動物が相手だったので、入社当初はギャップを感じたそう。「マニュアルがあるようでないのがこの仕事。鶏の様子を見て臨機応変に対応しなければなりません。鶏が温度や湿度に不快を感じていれば、いつもと動きや鳴き方が違うので、イライラしてるとわかるんです。鶏は本当に繊細な生き物。出荷まで健康に育てることを常に心がけています。」と意気込みを語ってくれました。

食べればわかる、旨味も弾力もひと味違う!

美味しさ実感!秋川の若どり。素材の良さを味わってほしいから、 まずはシンプルな味付けで味わってみて。

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