更新日:2017年08月05日
ようこそ山吹農場へ!/山吹農場(島根県)
秋川牧園の養鶏農場のひとつ、山吹農場ではチャレンジ精神旺盛な仲良しご夫妻が愛情込めて鶏を育てています。山口県岩国市に隣接する島根県鹿足郡吉賀町で暮らすお二人のもとを訪ね、お話を伺ってきました♪
養鶏を始めたきっかけ
自然豊かな山里で農場を営む山吹寛さん、里子さんご夫妻が養鶏を始めるきっかけが訪れたのは約30年前のこと。それは秋川牧園による『養鶏農家募集!』という新聞折り込みでした。
「とりあえず一度話を聞いてみるかってことになって。そしたら、安心安全な食べ物を作るということや無投薬で鶏を育てるというようなことを聞いたんだけど、うちらはすんなりと話を受け入れられたよ。医者だった叔父が昔からよく、健康は食べ物じゃ、って言っていたんでね、自分も自然食が良いこととか、抗生物質が使われているのは体に良くないこととか、なんとなくはわかっていたんです。」
試行錯誤しながら前進
秋川牧園の考え方に共鳴し、平成元年に山吹農場で養鶏がスタート。山吹夫妻の住居の横を流れる小川を挟んだ土地に鶏舎を建てるため、なんと小川を渡る橋まで用意し、手造りのぬくもりが感じられる木製の鶏舎を建てました。
取材時、鶏舎の中では生後18日の鶏達が元気に動き回っていました。「ひよこの時はかわいいよね」と照れ臭そうに笑いながら言う寛さん。最初の頃はわからないことも多かったのですが、生産者が集う会議などに顔を出す中でつながりも増え、育て方や温度調節の工夫などを先輩農家や秋川牧園の職員から教えてもらって身に着けていったそう。「なるべく多く生産できるように今でも試行錯誤しています。次はこうしてみたらもっといいかもしれない、と仮説を立ててやってみたりね」。
ところで、暑い夏が苦手なのは鶏も同じ。山間部にある山吹農場の鶏舎は木立に囲まれており、鶏舎の窓を開けておくと涼しい風がそそぎ込んでくるのですが、それでも暑くなってくると扇風機も用意するそう。そのお陰で、鶏達は夏も快適。また、夏の天候で危ぶまれるのが台風!大雨や暴風で鶏舎が壊れてしまったり、鶏がストレスを貯めてしまったりしないか、肝を冷やすこともあるそう。山間部のため冬場の大雪も心配ですが、夏の天候にも気を抜けない山吹農場。山吹さんは長年の経験や先輩方からのアドバイスを活かしながら、お天気と上手に付き合っているようでした。
チャレンジ精神旺盛な山吹夫妻
実は養鶏を始めた当初、寛さんは家業の酪農(乳牛)や牛乳配達、米作りなどを手伝いながら、日中はサラリーマンをしており、養鶏は里子さんの仕事に向いていると思い、始めたそう。「じっとしているのが苦手だから会社勤めには向いてないと自分では思ってて。農家に嫁に来れたのは、私の性格にはぴったり。」と快活におっしゃる明るい性格の里子さんは、養鶏を始める際も、もともと朝から晩まで乳牛の世話や牛乳配達などがあり忙しかったので、仕事が1つ増えることへは特に抵抗がなかったのだとか。寛さんもだんだんと農業への関心が強くなり30代で脱サラ。以降夫婦二人三脚で家業を切り盛りしてきました。親から受け継いだ牛乳配達の家業はたたみ、一段落した現在。落ち着いた生活を送っているのかと思いきや……
養鶏の他に、農家レストランや民泊、チーズやピザづくり体験、自家飼育のジャージー牛の牛乳を使ったソフトクリームやプリンなどの販売、古代米や野菜の栽培、自家製自然食品のウェブショップなどなど、寝る暇はあるの?!と驚いてしまうほど様々なことに取り組んでいる山吹夫妻。
「孫が遊びに来ても、あまりゆっくりかまってあげられないのよね~」と苦笑いしながらも、好奇心旺盛なお二人は今後もさらに新しいことにチャレンジしていくような予感。そんなチャレンジ精神を忘れない山吹さんご夫妻は、長年理想の農業と食を追求し、挑戦し続けてきた秋川牧園にとって、欠かせない生産者です。