更新日:2017年06月24日
○○を活用する自家製堆肥/篠目農場(山口県)
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篠目農場のコンポ
秋川牧園の挑戦!飼料米サイクル
秋川牧園では「飼料の自給率アップへの挑戦」のひとつとして、飼料米栽培に取り組んでいます。米余りが続く今日、日本の米生産や農地を守っていく期待の星として注目を集めている飼料米。その水田の地力となる堆肥には鶏舎で日々生産されるアレが有効活用されています。それは、鶏糞!
秋川牧園が育てた飼料米を鶏達が食べて育ち、その鶏糞が飼料米の堆肥となり、次なる飼料米を育てる…、この生産サイクルが秋川牧園を中心としたネットワークで循環しています。5月下旬、山口市阿東にある秋川牧園の採卵農場の1つ、篠目農場で取り組む堆肥の生産について、取材してきました!
鶏糞発酵装置「コンポ」
鶏糞を堆肥にすると言っても、ただ土に混ぜるわけではありません。堆肥にするには必ず〝発酵″が必要になります。未発酵のまま畑の土に混ぜると、むしろ逆効果に。鶏糞に含まれる脂肪や糖類などの有機物が土中で急速に分解されガスが発生し、作物の根などを傷めてしまいます。
秋川牧園では農場で排出される鶏糞を契約農家さんや自社の田畑の他、飼料米の生産者さんが使用する堆肥にしています。篠目農場では、約1年半前に「コンポ」という装置を農場の一部に設備。高さ約8mのまるで大きなタンクのようなコンポは、内部に空気を送り込みながら鶏糞を撹拌することで、好気性菌の働きを高めて鶏糞を効率よく発酵させ、堆肥化する仕組みの装置です。以前までは、一部の鶏糞は外部に依頼し、堆肥化してもらっていましたが、コンポの導入により全て自前で堆肥化できるようになりました。
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コンポの仕組み
良質な堆肥のため、試行錯誤の日々
コンポを導入し約1年半、試行錯誤を繰り返したと言う篠目農場の中嶋さん。
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篠目農場 中嶋さん
「最初の1年は、やってみないとわからない、という状態。原料となる鶏糞の水分量の他、季節によって異なる気温や湿度を見極めないと発酵が上手くいきません。経験による判断も必要です。1年たった今は、得たノウハウを若い社員に教えていくようにしています。」
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視覚・嗅覚を刺激する熱い湯気を物ともせず、内部を確認する中嶋さん。
発酵の状態を確かめる際には上部から直にコンポ内を覗きます。私も覗かせてもらったところ、もわん、とした発酵熱とともに目が沁みるようなアンモニアの臭気が!中嶋さんは内部を垣間見て発酵の段階を瞬時に判断していました。
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出来上がった堆肥。