更新日:2012年11月07日
秋川牧園の若鶏農場レポ/菊川農場(山口県)
教えて、藤重さん!
秋川牧園本社から高速道路を使って飛ばすこと約1時間。山口県下関市菊川町に秋川牧園の若鶏の農場、菊川農場があります。秋川牧園入社1年目、まだまだ勉強中の私、田中が、菊川農場を管理している藤重さんに話を聞いて参りました。
田中
鶏舎の中ってどうなってるんですか?
藤重
一般的には、電気もない暗い鶏舎で鶏が身動きできないくらいぎゅうぎゅうに入れられて飼われていますが、秋川牧園の若鶏は光が入って風が通る鶏舎(これを開放鶏舎と呼びます)で、坪あたり35羽程度と一般の鶏舎に比べ広い鶏舎でのびのびと飼育されています。
暑さに弱い鶏のために夏は扇風機や、霧状のシャワーを定期的に散布。鶏は、自分の体温を下げるために、土に穴を掘って寝る鶏もいますね。だから、温度調節や、鶏の健康管理には十分気を使っているんです。
田中
鶏は何を食べているんですか?
藤重
若鶏のエサには主に植物性の飼料を使用しています。病気に抵抗できる体を作るために鶏にワクチン接種は行っていますが、菊川農場の鶏には耐性菌の原因となる抗生物質、抗菌剤を使用していません!また一般の養鶏場では50日ほどで鶏を出荷するのに対し、秋川牧園の鶏は60日で出荷します。長く飼っているのにはワケがあります。長く育つにつれて、鶏肉にはイノシン酸という、うまみ成分が出てきます。長く飼うということは手間もコストもそれだけかかるということですが、それ以上にお肉のおいしさに繋がっているんです。
田中
鶏を飼育する上で大変なことはなんですか?
藤重
大変なのはひよこが来たときです。ひよこは温度の変化に弱く、体温を調節する機能が弱いため、孵卵した時と同じような環境にしてあげる必要があるため温度管理に一番気を使います。36℃、湿度70%がちょうどよい状態です。そのため入雛日は鶏舎横に寝泊まりして、定期的に温度を見るなどひよこの健康管理をします。
感想
鶏舎の近くに行くと、鶏の鳴き声が。鶏舎のドアを開けると右も左も鶏、鶏、鶏・・・。鶏がいっぱい。こんなにたくさんいて大丈夫?という印象を受けましたが、快適な場所を求めて自由に動き回ることができる鶏達に対して、一般的な飼育方法の鶏たちは動きまわること自体できないとのこと。人が来たら逃げ回る鶏もいつも世話をする藤重さんが分かるのか、この時は落ち着いた様子で元気に鳴いていました。みなさんは鶏の目を見たことがありますか。私は小学生の頃、一度家の近くの小さな鶏舎に行ったことがあります。その時鶏を見た印象として、鶏は目が怖いという印象がありました。しかし、秋川牧園の鶏はくりくりとしたかわいい目で藤重さんを見つめていました。小さい頃見た鶏と目つきが違うのは鶏たちがのびのびストレスなく過ごせているからかもしれませんね。菊川農場の鶏舎の中はゆったりとした雰囲気が出ていました。愛情を持って育てていることが、鶏たちにも伝わっているのかもしれません。