更新日:2012年09月04日
3つの顔を持つ、秋川牧園の和牛の生産者/佐伯伴章さん(山口県)
生産者、佐伯伴章さんのご紹介
山口県周南市中須北の山中。本当にこのまま先に進んでもいいのか!?と思うような山の中を車で15分ほど進むと、パッと視界が広がり、権現原農場が姿を現します。見渡せば360°眼前に広がる山。その中に自然のままに広がる広大な牧草地。牛舎の前には雑草を食べてもらうために放し飼いにされたポニーが一頭、日夜もぐもぐ口を動かす。日の光が差し込み風が吹き抜ける牛舎の中でのんびり過ごす牛たち。そんな静かに時間が流れる自然の中に権現原農場はあります。 今回は多彩な顔を持つ、佐伯さんのお人柄に迫ってみました。
佐伯さんの顔 その1 実は獣医さん!
農場に伺うと、素敵な笑顔で迎えてくださった佐伯さん。実は獣医さんでもあります。大学で獣医の資格を取得後、山口県に戻 られ、酪農をされていたご実家を継いだそうですが、獣医としても忙しく、近隣の多くの畜産農家からの依頼で走り回る毎日で酪農の仕事ができないほど。佐伯さんのお父さんが、帰ってきた息子が家業を手伝わないので「はぁ、やれん!(山口弁で「もう、出来ない」の意味)」 と言って酪農をやめられたくらいだったそうです。「人から言われたことだけど、山口県では2番目に忙しかったらしいよ。でも当時60〜70軒あった畜産農家も次第に少なくなっていってね。今では15,6軒くらいかな。」と、ちょっと寂しそうに語る佐伯さん。 現在でも現役の獣医さんとして、その技術を畜産業に生かすと共に、同じく獣医の奥様と、他の畜産農家さんからの依頼や特別天然記念物の保護鳥、八代の鶴の専属医師としても活躍されています。
佐伯さんの顔 その2 お米の生産者
佐伯さんは、美しい棚田が広がる中須北の地域振興にも取り組まれていま す。現在、「棚田清流の会 会長」として地域の住民の方々と共に棚田の里を守っています。直卓会員様向けにご案内している「西京の恵」は、ここ中須北の棚田で「都濃自然米生産グループ」を結成し栽培時、化学合成農薬・化学肥料不使用で栽培したもの。昨年は「西京の恵」を使い、初めて作った日本酒が2日で完売になったそうで、魅力的な地域ブランド商品を作ることでも地域を盛り上げています。現在は甘酒や棚田で作った黒大豆を使った桜餅などを開発中とのことで、商品化が楽しみですね!
佐伯さんの顔 その3 黒毛和牛の畜産農家
書類の山で埋まるデスクにひっきりなしに電話がかかる毎日。そんな多忙さを感じさせないほど、軽快な山口弁で冗談を交えながらお話し下さるエネルギッシュな佐伯さん。黒毛和牛の肥育もしています。ここ権現原農場では約4年前から黒毛和牛を約15頭ほど肥育し、月1.2頭ほど出荷しています。初めて佐伯さんの黒毛和牛を皆様にお届けしたのは2011年の秋ごろ。実はそのうちの一頭は牛肉の格付けの中でも上から2番目のA-4ランクの超一品!美味しいお肉が食べられるのも、長い間、毎日牛たちの健康を気遣ってきた佐伯さんの愛情の賜物です。