更新日:2016年04月08日

飼料の残留農薬、生体濃縮って なんですか?

分解しにくい農薬は、食べる動物の体内で
逆に濃度が上がってしまいます。

畜産物に残留する有機塩素系農薬が要チェック

農薬が怖い。といえば普通イメージするのはお野菜やお米などの農産物に使われる農薬のことでしょう。しかし、卵やお肉や牛乳などに残留する農薬も注意が必要で、むしろ、それらの農薬の方が恐ろしいとも言えるのです。

現在使用されている農薬は、何百という種類のものがありますが、それらのグループの中に、有機塩素系といわれるものがあります。有機塩素系とは、炭素や水素や酸素からなる有機化学物質に塩素がくっついたもので、その代表選手として、PCB、DDT、BHCなどがあります。ちなみに、現在大問題になっているダイオキシンも有機塩素系の化学物質です。DDTはその効き目のよさから、戦後全世界に広がりました。日本でもノミ対策で頭から白い粉を振りかけている映像を見たことがあると思いますが、あれもDDTです。ところが、使用されて何年もたった後で、その恐ろしい発ガン性や残留性(分解しにくい)がわかり、日本でも1972年に製造が中止されました。PCBやBHCも同じように70年代に製造中止されています。ところが、このDDTやPCBなどは、とにかく自然界で分解されにくいため、いつまでたっても消えてなくなったりしないのです。

生体濃縮のメカニズム

この有機塩素系農薬の問題は、動物や魚の体の中でも同じこと、いや、むしろ食べる食べられるの連鎖の中でますます濃縮されていくのです。例えばPCBで汚染された海では、プランクトンが汚染され、そのプランクトンを食べた小魚ではさらに濃縮されます。その小魚を食べた大きな魚はもっと高濃度で汚染され、その魚を食べるアザラシはさらに高濃度にと、食物連鎖の階段をのぼる毎に10倍くらいに濃縮されて汚染されてしまうのです。このメカニズムを「生体濃縮」といいますが、これは畜産の世界でも当てはまります。つまり、鶏や牛などの飼料にPCBやDDTなどが残留していた場合、それを食べた鶏の体内でもPCBなどは分解せず、蓄積されてしまうのです。そして、それを食べたお母さんの体に蓄積し、その母乳を飲んだ赤ちゃんにその毒が移動して蓄積されてしまうのです。

秋川牧園、生体濃縮、残留農薬、肉骨粉、農薬

お野菜などに使われる有機リン系などの農薬も恐ろしいですが、体内で分解しにくい有機塩素系の農薬は、畜産物については特に要チェックということなのです。
さらに、近年問題になっている環境ホルモンですが、ダイオキシンをはじめ、PCB、DDT、BHCといった有機塩素系の化学物質は、ことごとく環境ホルモンの恐れのある物質に指定されていて、その面からも注意が必要です。

秋川牧園の取り組みは?

秋川牧園がスタートした昭和47年当時は、この有機塩素系農薬の食品への残留問題は、今よりももっと深刻な状態でした。そこで、秋川牧園の健康な食べ物づくりの最初の具体的なチャレンジはこの飼料への残留農薬問題の解決でした。
具体的には、数ある飼料原料の中で、残留農薬の原因となるものを探し出す、同じトウモロコシでもどの地域のものは安全でどの地域のものは汚染濃度が高いかを把握する、というアプローチをとりました。
そして、その研究開発の結果、秋川牧園では生産する畜産物へのDDTやBHCなどの残留について、国の基準をずっと下回る0.001pp以下という自主基準をクリアすることができるようになったのです。

秋川牧園の商品一覧

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