更新日:2016年04月08日
遺伝子組み換え技術の問題点は何ですか?
遺伝子組み換えは、生産側の都合を押し付けた、自然とは共生できない技術です。
遺伝子組み換えとは、細菌などの遺伝子の一部を切り取って、別の生物の遺伝子に無理やり組み入れることによって、自然界では存在しえなかった新しい技能や性質をもった生物を作り出す技術のことです。
この技術によって生み出された農業用の遺伝子組み換え種は、1990年代半ばから広がり始め、今では世界の農地の10分の1を占めるほどになっています。幸い日本では遺伝子組み換え種の栽培は、広がっていません。しかし、日本は世界最大の遺伝子組み換え食品の輸入国でありますし、日本の在来の菜種との交雑も既に起きています。
遺伝子組み換え技術に対する見方は世界の中でも分かれています。おおむね推進派である米国とそれに反対するEUと日本といった図式です。米国の専門家は、遺伝子組み換えの安全性を強調しますが、既に様々な健康被害の報告がありますし、生物多様性への悪影響も懸念されるところです。また、DNAというものは自己増殖するものであり、将来、危険なDNAを自然界から回収しようとしてもそれは不可能でしょう。私たちは、そのように自然とは共生できない技術であること、自然や長い地球の歴史に対する謙虚さを失った技術であることは、何か原子力発電技術に近いものがあると考えています。
具体的な遺伝子組み換え技術の例としては、トウモロコシ自身が毒素をつくるため、トウモロコシを食べた害虫が死んでしまう殺虫トウモロコシ。ラウンドアップという除草剤をまいても枯れない遺伝子をもった大豆。枯れないのでたくさん除草剤をまくことができますが、そのことは土壌の汚染や大豆への残留のリスクを高めます。これらの技術は消費者にとっては、利益はなく、要は生産における効率のみを追求した技術であることがわかります。
秋川牧園の取り組みは?
秋川牧園では、このように食の安全性や環境面での問題の大きい遺伝子組み換え技術に反対しています。具体的には、飼料原料として使用するとうもろこし・大豆は、遺伝子組み換え原材料の混入を防ぐため分別生産流通管理を行ったものに特定しています。また、加工品に使用する菜種油や味噌などの原料である菜種や大豆も同様に特定しています。