更新日:2016年07月08日
年に一度の放射能測定器の校正を行いました
年に一度の放射能測定器の校正を行いました
秋川牧園では2011年12月より、自社でシンチレーション式測定器による放射能検査を実施しております。
今回、およそ1年ごとに実施している放射能測定器の校正作業が行われました。この作業は年間のメンテナンスの中でも重要な位置づけとして行われます。毎年変わらぬ風景ですが、正しい情報をお届けするため、なくてはならない作業です。
校正とは?
測定器が、例えば10bq/kgの検体を、正しく10bq/kgと測定しているか検査し、測定機器の補正を行うことです。精密機械といえども、毎日稼働をしていると、基準値(量りでいう“0”の値)が徐々にずれていきます。正確に検査を行うために、こうしたメンテナンスがとても重要になります。
秋川牧園では機器が正しく測定しているか、年間で3段階の校正を行っています。
年1回:年に一回の校正
機器自体のメンテナンス、補正を行う
月1回:ゲルマニウム測定器との整合性の確認
秋川牧園で使用しているシンチレーション式測定器よりさらに正確な検査が可能なゲルマニウム式測定器。月に1回、ゲルマニウム検査に出す鶏卵飼料を事前に測定し、ゲルマニウム測定器の検査結果と差がないか、確認しています。
毎日:毎日の校正
測定開始前に毎日行っている校正。
放射能測定器の種類と特徴
シンチレーション式測定器
秋川牧園で使用しているシンチレーション式測定器は、核種の違いに関わらず、低い放射線量の放射性物質(自然由来も含め)にも高い感度で反応するという特性があります。
全体の検出限界値が高めになる傾向がありますが、この特性を活かした比較的信頼性の高い計測が可能です。
またゲルマニウム式(下記)に比べ測定方法・測定時間が簡易なため、放射能検査室では週50品目前後の食品や飼料などのサンプリング検査を実施し、異常がないかの確認を行っています。
ゲルマニウム式測定器
ゲルマニウム式測定器は、電流によって放射線量を検出するしくみで、核種を特定ができ、また検出下限値が1~3bq/kg前後での測定をすることができます。しかし、1検体あたりの検査時間が半日以上と長く、検査費用が高額など、実用面でのデメリットがあります。また測定のための厳重な設備や、専門の有資格者も必要となります。
安心をお届けするために
年に一度行う校正は、機器の電圧やデータ表示など電子機器に異常やズレがないかを確認し、また機器メーカーの方が持参した線源(1000bq/kg)を正確な基準として、これに測定値を合わせるといった作業を行います。重要な作業だけに、毎年この時期は、私達社員も気持ちが引き締まります。
秋川牧園では、第一段階として出来る限り多品目による放射能検査を行いながら、より詳細な検査が必要な場合は、長い時間をかけての二次検査、さらには外部機関によるゲルマニウム検査を実施するなどのリスク管理に努めています。今回の校正で、正確に検査ができていたことを確認しました。今後も引き続き皆様に安心して商品がお届けできるように検査に取り組んで参りたいと思います。