更新日:2017年04月12日
あなたの畑・あなたの牧場がここにある(アグリロハス4月号)
戦後、日本の復興からの見える人類の誤謬
農薬や化学合成物質が氾濫する現代。今回は、その経緯から、食の安心安全について、お伝えしてまいりたいと思います。
なぜ、農薬や添加物等、化学合成物が氾濫するようになったのか?
太平洋戦争による敗戦後、その食糧難は深刻なものでした。食糧難の中、食べ物はすべて配給制で、米は1人1日、2合1勺(315g)までに制限されていました。そのお米も米で配給されることは稀なこと、やがて麦や大豆に変わったのも束の間、最後は、道路端での配給の山分けは、ごろごろと腐ったさつまいもの残骸だけという有様でした。
その貧困と食糧難の極致から、少し食糧難が和らぎかけて、敗戦から立ち上がる希望が見え始めた昭和30年代。安い物、腐らない物、常温で保管できるもの、安易に収穫量を上げて安くできる化学肥料の野菜や果物、虫食いのない野菜、病害虫が出たらすぐそれを解決できる値段が安い農薬、見た目で嬉しくなる着色料の効いたお菓子、防腐剤や防カビ剤が効いた安い即時的な食べ物に人々は飛びつきました。
小さなスーパーマケットが見られ始めたその頃、それまで見ることがなかった赤いソーセージが、冷蔵設備のないリンゴ箱の上で安価で売られるようになりました。
当時はまだ食べ物がない時代、「ソーセージが食べられる」と、庶民の多くがそれに群がりました。それが、赤い防腐剤A F-2 入りの魚肉ハムソーセージの登場だったのです。もちろん、その防腐剤AF-2は、製造業者から国に許可申請がなされて、添加物として国が許可したものです。詳細の許可内容は把握していませんが、当時のことなので、試験室のガラスのシャーレーの中での大腸菌を使った試験だけで許可されたものではないでしょうか?
やがて、多くの消費者団体が反対運動を開始し、国もこの防腐剤AF︲2の製造販売を禁止することになりましたが、この添加物A F-2 の事件は、その後尾を引き、A F-2 で被害に遭われた方のお子さんの代まで類が及ぶというAF-2二世代という痛ましい言葉を産むものとなりました。
同じように、人工甘味料のサッカリンやズルチン、醤油等の防腐剤に使われた安息香酸、その他数多くの添加物が、一旦許可された後、問題提起される中で、再び禁止されたものが多いのです。そして、現在許可されている食品添加物についても、本当に必要なものはほとんど無いようにすら思えます。いずれにしても、地球に無かったものを、ここ70年位に、人類が合成して産みだした地球の異物。人の遺伝子は、僅か70年位で適応するほど器用ではないのです。
マウスの発癌性試験には限界が…
喰うや喰わずの貧困と食糧難の時代、そこに跋ばっ こ 扈したのが農薬や添加物の大氾濫でした。
国等、公的機関も、添加物や農薬の安全性の審査に忙殺される中、シャーレーの中の培養試験や短期のラットによる発癌、催奇性の検査もそこそこに、農薬や添加物が許可される無理もない戦後の混乱した時代背景がそこにありました。
人は、性成熟が遅く、寿命が長い動物であることから、人のガンは、ガン細胞が増殖を始めてからガンを発症するまでの、いわゆる潜伏期間が、他の短命である動物に較べて、長くなると考えています。
試験室内のシャーレーの中での培養試験や人とは全く異なる遺伝子組成で短命のラットでの試験では、人の発ガン性を類推すること自体に無理があることは自明の理でもあります。しかし、その当然の結果として、今、これだけの多くの癌や先天異常の多発をもたらしたことも事実、早く、人類のこの大きな誤謬から脱却しなければならないのです。
化学合成物質は口に入れない!
その結論は、先ずは、化学合成物質は、食べない、そして体に入れないことです。
中には、「もう、今までに食べちゃったから…」と思われる方もあるでしょうが、そんなことを心配することもないのです。
仙人でもないない限り、農薬や添加物が全く体に入らないという人は居ないのです。家の食事では気を付けても、出張すれば外食は必要、そこでは無添加という保証はまずは無理と考えなければなりません。私も、仕事柄、数多くの出張がありますが、外に出れば、気にせずに食べるようにしています。なぜならば、自宅では、秋川牧園の安心安全で無農薬で無添加の食材を食べているという自信があるからです。ただ、私の好物であるチキンライスについては、亜硝酸ソーダーの入ったハム、ソーセージだけは、箸でつまんで、残していますけれども…笑々…。
要は、日頃の食事のベースが、しっかりしていることがあれば、それは、健康への自信にも繋がるのです。少なくとも、家庭での食事は、食材の安全性については、自らが選択できるのです。
遅すぎたとは思わず、今日から、すぐに食の安心安全を実行しましょう。
では、皆さん、5月号でお会いしましょう。