更新日:2016年03月27日
この値段の差ってなぁに?【お酢編】
世界には約4000種類もあるとされ、スーパーに行くとズラッと並ぶお酢。
ですが、その違いはいったい何なのでしょうか。数あるお酢の中でも、今回は日本人に馴染み深い「米酢」に注目してみました。
原材料が「米のみ」か「米+アルコールなどの添加物」か
作り方からも分かるように、米酢造りに本来必要なのは、米と水のみ。
ですが、ラベルを見ると原料に「アルコール」と書かれているものもしばしば。
その理由とは…?
原材料:米のみ
米のみで造られるお酢は、「酒を造る」という工程をふむため、米の使用量も多くコストがかかります。
ですがその味わいはアルコールでは造りだせない、有機酸の多いコクや旨み、芳香な香りのあるお酢に。
原材料:米+アルコールなどの添加物
JAS規格での米酢の定義は「酢1L当たりの米の使用量が40g以上」。
しかし、米のみで酢1Lを造ろうとすると、最低でも120gのお米が必要です。
この80gの差を可能にしたのが、「工業用アルコール」。
アルコールを添加すると、米から酒を造るという工程が省けるため、米の使用量が少なくてすみ安価で大量生産が可能です。
発酵方法が「 静置発酵法」か「 速醸法」か
静置発酵法・・・昔ながらの伝統製法
仕込みタンクに材料を入れ、機械的な撹拌(かくはん)をせず、自然の対流に任せて発酵させます。
完成するまで最低でも約2カ月かかりますが、長い発酵期間で味にコクや深みが生まれ、ツンとしない芳醇なお酢に仕上がります。
速醸法・・・スピーディに大量生産
仕込みタンクに材料を入れ、空気を送りこみながら機械を使い撹拌(かくはん)することで発酵を早めます。
わずか数時間から1日でお酢が造れるため、大量生産が可能です。爽やかで淡白な味わいが特長。
原料は米のみ。静置発酵法で造ったお酢。
秋川牧園でご案内する米酢は、原料は米のみ・静置発酵法で造ったお酢をご案内しています。
飯尾醸造
明治26年創業。京都の宮津市に蔵を構える飯尾醸造。
400社余りある日本の食酢メーカーの中でも、原料のお米造りから始めるという数少ないお酢屋さん。
原料には、自ら地元で作った無農薬のお米を使用し、「日本一のお酢造り」を目指しています。
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林孝太郎醸酢
創業170年余り。硬度の高い名水が多いことでも知られる、京都西陣に蔵を構える「林孝太郎造酢」。
時間を惜しまず、手間を惜しまず、昔ながらの製法で造り続けるお酢は、決して出すぎることのないまろやかな味わいです。