更新日:2018年03月22日
あなたの畑・あなたの牧場がここにある(アグリロハス3月号)
前号まで、引き続きで「食の安心、安全は誰もが食べられる」ことをお伝えしましたが、完結編として、そのまとめをお伝えしましょう。
健康を脅かす食べ物の間違い
健康であることは幸せな人生を得る中でとても重要なことです。もちろん、人には、運・不運という巡り合わせがあることも否めないところです。しかしながら、自らと、そして愛すべき自分の家族の幸せを願う中で、かけがえのない健康という幸せは、とても大切なことであるには違いありません。健康な人生を切り拓いて行くためには、まず、毎日身体に入る食べ物が健康であること、食の安心安全は、とても大切なことなのです。では、安心安全な食べ物とは・・・。
まずは、農薬や添加物等、化学合成物質の心配のない食べ物であることです。なぜならば、農薬は、人と同じ生き物である虫や病原菌等を殺す、いわば、毒薬であることに違いないからです。化学合成された農薬や添加物の多くは、もともと、この地球に無かった物。人類が便利さにかまけて、化学合成したものがほとんどです。
この地球に生き物が生まれてから38億年、そして人類の誕生から300万年、歴史が始まってから1万年、そんな中、鎌倉時代にも、平安時代にも、江戸時代にも世に出ることがなかった、有機化学合成物である農薬や添加物が、ここ僅か70年前頃から、この地球上で大量に造られ、食べ物等を通じて、今、私たちの体内に大量に入るようになってしまったのです。
これらの農薬はその毒性が高いだけでなく、具合の悪いことに催奇性や発ガン性があるものが多いことにその問題があります。
その多くは体内に入ると、過酸化物質を出し、私たちの細胞内にある遺伝子を傷つけ、そこで、細胞の異常増殖が始まる・・・。それが、今や、人の半数以上が罹るという文明病、恐ろしい“ガン”の実態です。
ガンの発症要因は、医学的にも科学的にも、未だその全容が解明されていない段階でもあることから、その予防対策についても、遅れが見られるものです。さらに、ガンはいわゆる潜伏期の長い厄介な病で、発見も遅れがちとなり、切除手術を行っても再発の可能性が高いという、不幸な面をもつものでもあります。また、短期間の動物実験で、発ガン性の有無を確認するという実証主義のみでは、限界が来ているものとも思われます。染色体の異なる他の動物での実験に偏るのではなく、化学構造式等を含めた科学的類推判断の分野をさらに拡げ、その危険性の予見されるものについては、できるだけ口にしないという、食生活の改善が肝要なのです。
同じように、人の健康を脅かしているものに、抗生物質や抗菌剤の乱用、そして畜産物や養殖魚等への大量の使用があります。
それらは、病院内感染問題を含めて、効く抗生物質が無くなるという耐性菌による人命の危機をもたらしています。また、家畜等へのホルモン剤の乱用等も、乳がん等を始めとするガンの多発の誘因になるという懸念が拡がっているのです。
安心安全は誰もが食べられる。普通の食費で、安心安全・栄養の不満足から栄養大満足へ・・・
「この話、よく分かったけれども、安心安全な食べ物は、値段が高いし、我が家の家計では買えない・・・」と、諦めている方はいらっしゃらないでしょうか?
いや、消費者の多くが、そう思っておられるかもしれません・・・。私は、その重大なる錯覚を追い払いたいのです。
さらに、課題はそれだけではありません。今、国民の大部分が、栄養不満足、栄養過不足にあるのです。簡単に言えば、超過の多くはカロリーで、それは生活習慣病につながります。不足は、A・B1・B2等のビタミン、カルシウム・鉄・亜鉛・銅等のミネラル、それに食物繊維や麩飽和脂肪酸や抗酸化物質等。つまり、栄養は過剰と不満足の入り組みの状態なのです。
レシピ本や料理番組、レシピサイトに人気が集まっています。しかし、レシピが大切なのではなく、いかに、必要な栄養量を摂り、過剰の障害や食費の無駄を防ぐのか。その上でおいしく食べるために、レシピが必要なのです。
食べ物は、値段の安いから買うのではなく、必要な栄養を買いましょう。そして、栄養当たりの値段で買い物をしましょう。
動物性タンパク質は、成長、健康、長寿、老化防止に不可欠です。しかし、動物たちの命をいただくのですから、食材としては安い方ではありません。その動物性タンパク質の摂り方で、食費の財源が200円~300円も違ってきます。卵や鶏肉は、タンパク質やビタミンが豊富で、栄養当たりの値段がお得。この点が、安心安全な食べ物への財源を捻出する、一番のポイントです。卵や鶏肉を動物性タンパク質の主役にしながら、豚肉や牛肉はその特徴ある栄養や美味しさを楽しむ・・・そのことが真の豊かさにつながります。
これらの上手な食材と栄養の組合せを身に付け、そこで浮いた食費の財源を、安心安全な食べ物に充てる。そうすれば、日本の食費統計で示される1日平均の食費(約810円)で、すべて「安心安全が食べられる」。しかも、「栄養不満足から栄養満足へ大転換」「食の安心安全は誰もが食べられる」ことの実現にもつながるのです。
では、4月号でお会いしましょう。