更新日:2017年12月26日

あなたの畑・あなたの牧場がここにある(アグリロハス12月号)

今の食費のままで、あなたは 安心安全が食べられる。

「今のあなたの普通の食費のそのままで、明日から、直ぐに、安心安全な食べ物だけの食生活ができる」

こんなお話をしても、「ええ!うそ!そんなこと信じられない」そんな返事が返ってくることでしょう。しかも、今までの栄養大不満足が「栄養満足で健康ハツラツ」という大きなオマケまでくっついてくるのですから、まさに、これをもって一石二鳥と言わずしてなにがそうかという感じです。

私はこの提案について、今から17年前の2000年頃から集中的に研究を重ね、この5年前頃から、先ずは日本からということで、この世紀の提案を始めているのです。健康には、先ずは、安心安全な食べ物が必要です。

 

安心安全な食べ物は、値段が高いので食べられない・・・この言い訳とはもうお別れ・・・

私は、食の安心安全に携わること45年の間、その中で、一番に苦労したことは、消費者の皆さんが安心安全な食べ物は良いけれども、その値段が高くなるので買うことができないと思う、値段感覚の相克にありました。

戦後、すべての食べ物は、消費者の皆さんは、値段との対峙の関係にあったと言えます。やがて、高度成長期となりましたは、家計を預かる主婦の皆さんは、家計簿を付けながら、いかに、食費を抑えるかの格闘が、日々続きました。

1971年からの有機農業運動が始まる時代から、私は数え切れないほどの講演や消費者の皆さんの学習会の講師を務めてきましたが、安心安全な食べ物への理解が進む中でも、普及に大きなブレーキがかかるものとして、食べるものの値段との相克の課題があり続けたのです。農薬や化学肥料を使わない野菜、遺伝子組み換え原材料の混入を防ぐため分別生産流通管理を行ったとうもろこしや大豆を使用した飼料、無投薬飼育の鶏肉等、一般の市販品と比べれば、ある程度は高値になることは止むを得ないことなのです。

安いことは良いことだの考え方が先行した時代がありました。大量の化学肥料と、大量の農薬や添加物が製造され、それが普通の食べ物として流通する中、多くの消費者もその価値観の元で、その安いものに飛びつきました。その中で、健康のためにはどんな栄養が、どの位の量として必要なのか?その必要な栄養は、何から摂るのが一番食費にやさしく、そしておいしく食べられるか?それについて考える機会もなく、また、それを啓発し議論する感覚もありませんでした。

例えば、今日、牛肉は、どこが一番安いのか?特売で、今日は、どれだけ安いのか?そのような感覚と判断で買い物をする、そんな姿が日常化してしまったことに、大きな落とし穴があったように思うのです。

 

鶏の経済栄養学の実践に比べれば、人の栄養への関心は、30点にも満たない

これに対して、畜産、特に、鶏の世界では、早くから栄養学と、栄養当たりのコストという経済的な概念が実用化されていたのです。「どのような飼料を作ったら、栄養を満たしつつも、最もコストの低い飼料ができるのか」について、今から約60年前1960年代には、実用化されていたのですから、それは驚きです。

鶏等、家畜の栄養学では、早くから、たんぱく質からカロリー等は序の口、たんぱく質はメチオニン、シスチン、リジン等、10種類近くの各種のアミノ酸の必要量が分り、ビタミンに至れば、ビタミンAのレチノール当量、ビタミンB群はB1、B2から始まって造血ビタミンと言われるB12に至るまで必要量がわかる、その単位も1日の必要量は1gの1/1000以下の微量まで見極めされているから驚きです。また、無機質についても鉄、銅、亜鉛、セレン、コバルトまで、多ければ毒だが、微量では必要なものまで、コンピュータにデータが入力されて、一瞬で栄養の過不足が算定できるようになっているだけでなく、最少の飼料価格でその配合が完成するよう、プログラミングされているのです。なお、今ではどこにでもあるパソコンのエクセルの表計算でも、十分に対応できるものです。

「人は、家畜ではないよ!!」すぐにそんな反論が出てきそうですが、鶏の健康と、卵や鶏肉の生産コストについて、瞬時に完全にその答えが出る鶏の餌と比べて、なんと、人の食事の栄養の過不足はバラバラなことでしょう。その食費のコストと栄養の関係は、学校の給食か病院食でもないかぎり、ほとんど無頓着な状況下にあると言えるのです。そのため、カロリー過剰によって肥満となり生活習慣病や糖尿病の多発、片方で、骨粗鬆症の原因となるカルシウム欠乏、亜鉛、銅、鉄等の不足による障害、脂肪酸組成等の偏りから起きる高脂血症等が問題化しており、これらは病気というより、栄養の過不足がもたらす生活習慣病なのです。そして、この生活習慣病が、ガンの次に多い死亡原因第2位に上り、死亡第1位のガンは「食べ物が悪い」、第2位の生活習慣病は「食べ方が悪い」、その典型的な進行状態がそこに見られるのです。

あなたにとって、あなたのご家族の一人一人にとっても、その貴重な人生が、食べ物が悪い、そして食べ方が悪いで、死に至るのでは、とても情けない話となります。あなたや、あなたのご家族が、この情けない人生の選択をすることはないでしょう。お互いに、共に、賢明な人生を歩みましょう!

では、来年1月号でお会いしましょう。

 

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